Food Driveってなに?高校生はボランティア必須?!

ハローボンジュール、カナダのフランス語圏在住じゃぽママです。

前回の記事で、フードバンク用の食糧や寄付金を集めながら北米大陸を横断するホリデートレインについて書きました。

ホリデーシーズンが近づくと、このようなチャリティイベントが盛んに行われるチャリティ先進国カナダ。

ケベック州では、11月末か12月初めの日曜日に、”Guignolée(ギニョレ)“と呼ばれる、チャリティ活動が一斉に開催されます。

英語だと”Food Drive(フードドライブ)”に当たる活動です。

フードドライブとは?:
個人のグループまたは企業が、食料を買う余裕のない人々のために食料を集めて、フードバンクなどに寄付して配布するために実施する1960年代にアメリカで始まりチャリティー

我がファミリーは去年から、ケベック州のギニョレに食糧を集めるボランティアとして参加しています。

今回は、ギニョレのこと、そしてボランティアに参加することにした理由について綴っていこうと思います。

もくじ

ケベック州のギニョレ

ギニョレとは

「ギニョレ(Guignolée)」は、カナダのケベック州で11月末か12月の初めの日曜日に行われるクリスマスシーズンの伝統的なチャリティ活動の言葉です。

「ギニョレ(Guignolée)」という言葉は、もともとフランスの中世の大晦日の伝統「ラ・ギニョレ(La Guignolée)」に由来しているそうです。

さらに辿ると、この言葉はイタリア語の「guignolet」(さくらんぼを指す)から来ていて、小さな贈り物を意味します。

もともとは、アメリカ大陸に初期に入植したフランス系の人たちによってヌーベルフランスに持ち込まれた伝統で、昔は12月いっぱい行われていたそうで、特に大晦日やクリスマスイブに行われることが一般的でした。

昔は、仮装をして歌を歌ったりしながら一軒一軒周り、そのお礼に飲み物や食べ物をもらうという習慣もあったようです。

ギニョレのボランティア活動

ボランティアには以下の流れで参加します。

❶ 地域のチャリティー組織のウェブサイトから、参加申し込みをします。

❷ 前日に、指定された場所にボランティア用ゼッケン、寄付を集める担当の通り名、募金箱(缶)、留守宅用のドアノブメッセージハンガーを受け取りに行きます。

❸ 午前10時頃から、指定された通りを一軒一軒ノックしながら周ります。各ボランティアグループにつき、通常2本の通りを担当します。

❹ 車のトランクがいっぱいになる度に、フードステーションに荷物を下ろしに向かいます。
ステーションに行くと、ボランティアの車がずらっと順番を待っていて、結構たくさんの人が参加していることに気が付きます。

❺ 担当の通りが終了したら、労いのホットチョコレートやコーヒー、マフィンなどがもらえます。去年はサンドイッチなどの軽食もありましたが、今年は食べ物のスポンサーがつかなかったとのこと。

じゃぽママ

今年は、アイスレインが降る中子どもたちはよくがんばった!

ボランティア活動に参加した理由

高校卒業に必須のボランティア活動

去年から参加しているギニョレの活動。

実はこれ、中学生の長男のため。

カナダの中高等学校は、ボランティア活動に参加することを卒業条件にしているところがたくさんあります(州や通っている学校によって違う)。

全ての州を把握していませんが、例えばBC州は30時間オンタリオ州だと40時間のボランティア活動が必須となっているようです。

ケベック州は、州全体で決められているわけではありませんが、長男が通っている学校のコースは、ボランティア参加が必須となっていて、1年間で最低2つ以上参加することが卒業条件となっています。

長男曰く、彼のクラスメートのほとんどはギニョレのボランティアに参加しているとこのこと。

長男はこのギニョレの他に、ラッキーなことに小学生の頃から所属しているクラブで毎年老人ホームを訪問するしているため、学校がこれをボランティアの一環と認めてくれて、この2つで条件を満たすことができます。

学生のボランティアの探し方

ボランティア活動をしないと高校を卒業できないカナダの中高生。

みんなどこでボランティアを見つけているのでしょうか。

  • 学校のプログラムやクラブ: 
    カナダの高校は、学生がボランティア活動に参加できるようなプログラムやクラブが用意されています。
    特に1年生は学校内での様々なお手伝いを単位として認めてくれることも多いく、息子のクラスには、学校見学に来た小学生の案内係をして単位をもらった子もいたようです。
  • 地元のコミュニティサービス:
    今回のギニョレもコミュニティ主催のものですが、季節ごとに開かれるコミュニティイベントの手伝いをしたり、コミュニティ関連の施設などのボランティアに参加することができます。
  • ボランティア団体:
    カナダには学生も参加できる青少年向けボランティア団体がたくさんあります。
    例えば、今回のギニョレのフードステーションで寄付された物資を運んだり仕分けしたりしていたのは、スカウトらしき中高生グループの子たちでした。
    (団体例:Youth Volunteers (JBC)、Red Cross Youth、Scouts and Guides of Canada)
  • 地元の教会:
    教会に通う人は昔比べるとめっきり少なくなりましたが、カナダには各町に1つは教会があります。そこが主催するチャリティに参加することができます。
  • スポーツや芸術関連のボランティア:
    スポーツクラブに所属していたり、音楽系の習い事をしていると、チームやイベントのお手伝いをすることで、ボランティア活動として認められます。息子もこの関係でボランティアの単位が1つ認められています。

最後に

出典:Food Banks Canada

今年の3月、カナダのフードバンクはショッキングなデータを公表しました。

上のデータを見てもらったら分かる通り、2022年3月から2023年3月のフードバンクの利用者が200万人に迫る数だったそうです。

そして悲しいことに、利用者のうちの3分の1が子ども。

利用者の増加率は32パーセントと、過去に例を見ないほどの増加率だそう。

実は、ハロウィンの時に、不景気の影響を感じていました。

というのも、明らかにキャンディを配っている家が昨年に比べて減っていたからです。

さらに、今回のギニョレでも、たまたまかもしれませんが、寄付をしてくれた家が前回に比べて少なかった気がしました。

子どもたちは、ボランティアに参加したことで、

世の中には食べ物を買うお金がない人がたくさんいること

世の中には優しい人が思ったよりもたくさんいること

人の役に立つことをすると自分も優しい気持ちになれること

などを学んだようで、長男のみならず次男も来年以降も引き続き参加したいとのこと。

また、家族で参加することで、子どもたちと社会問題について一緒に考える機会にもなりました。

今回は、ボランティア活動が高校卒業に必須というチャリティ先進国の北米ならではのフードドライブ(ギニョレ)について書いて見ました。

チャリティ活動を偽善だという人も中にはいますが、やらずに文句を言うよりは、偽善でもやって誰かの役に立つ方がいいなと私は思います。

皆さんはどう思われますか。

もくじ