じゃぽママ一家が住むカナダ東部、秋はりんごの季節。
9月半ばになると、猫も杓子もこぞってりんご農園にりんご狩りに出かけます。
農園には、ウサギやアルパカ、ニワトリなどがいる小さなファームがあったり、子ども向けの遊具がある所が多く、家族連れでいっぱい。
また、農園で作られたりんごジューズやアップルパイ、ドーナツも売られていて、それを目当てにやってくる人たちもいます。
農園によって違いますが、大体15〜25種類くらいのりんごの木が植えられています。
相場は20パウンド(約9kg)で20ドル〜30ドル。
我が家が今年行った農園は、りんごのみならず、ハロウィン用のパンプキンピッキングや野菜狩りもできるようになっていました。
りんご狩りに行くと、しばらく子どもたちの学校に持っていくおやつは毎日りんご。
りんご飽きた…
継承語としての日本語を学ぶ海外に住む子どもたちには、彼らの生活に直結する日本語を教えたい。
日本の行事のみならず、その国の季節行事にちなんだ日本語は子どもたちにとってより身近な言葉になります。
今回は、元教師でありミックス(ハーフ)キッズの母親であるジャポママが、りんごの季節に教えたい日本語や日本語を使った活動アイデアを紹介したいと思います。
日本で、英語を教えている人にも応用できるはず👌
この記事はこんな人にオススメ
- 海外で子育て中の人
- 海外で日本語を教えている人
- 日本で英語を教えている人
りんごを使った言葉の活動
りんごが出てくる絵本の読みかせ
りんごが出てくる絵本は意外とたくさんあります。
海外に住んでいる子の場合、必ずしも日本の年齢基準が合うとは限らないので、そこはそれぞれのお子さんの性格や日本語レベルで判断しましょう。
- 0歳〜2歳くらいの子にオススメ
あかあかくろくろ (いっしょにあそぼ) [ 柏原晃夫(かっしー) ]
りんご りんご りんご りんご りんご りんご [ 安西水丸 ]
りんご (母と子のえほん) [ 松野正子 ]
- 2歳〜5歳くらいの子にオススメ
りんごがたべたいねずみくん (ねずみくんの絵本) [ なかえよしを ]
りんごくんがね‥ (おいしいともだち) [ とよた かずひこ ]
モリくんのりんごカー [ かんべあやこ ]
- 6歳以降
おおきな木 [ シェル・シルヴァスタイン ]
だるまちゃん・りんごんちゃん新装版 だるまちゃんのともだち [ 加古里子 ]
りんごかもしれない [ ヨシタケシンスケ ]
りんごの折り紙や工作
折紙や工作をしながら学べる日本語はたくさんあります。
折る、切る、ちぎる、貼る、おもて、うら、色の言い方、形の言い方etc…
折ったり切ったりとその動作をしながら学ぶので、子どもの記憶にも残りやすいと思います。
この時、英語など他の言語を混ぜながら説明しないことが大切です。
❌「折紙をfoldして」「紙をcutして」
⭕️「紙を折りましょう」「紙を切りましょう」
りんごの形、色、味、食感、りんごの中身について
まず、りんご丸々1個を見せながら、子どもたちに
「このりんごは何色かな?」「形はどんな形?」「大きい、小さい?」
と色んな質問していきます。
そうすることで、色んな言葉が学べます。
5歳以降の子には、りんごを切った断面図をみて、皮や種などのパーツを知る活動できます。
最後に、りんごを一緒に食べながら、どんな味かを考えてみましょう。
すっぱい、甘いなど、味に関する日本語が学べます。
そこから、日本語で味を表す言葉にはどんなものがあるかと広げていくこともできます。
小学生以上になると、りんご だんめん図鑑という絵本がオススメです。日本全国で生産されている様々な大きさや色のりんごが42種類も出てくるので、日本語だけではなく理科や社会的な要素を含めた様々な面から日本を教えることができます。
りんごの数え方
数える物によって、または数え方によって言い方が変わってくるのが日本語の難しいところの1つ。
りんごは、1こ、2こ、3こ、だけではなくて、ひとつ、ふたつ、みっつとも数えることができます。
10個のりんご(または絵)を使って、ひとつからとおまで一緒に数える練習をした後、
りんごで算数の足し算引き算の問題を作って、「りんごはいくつでしょう?」と聞くという活動もできます。
赤りんごと青りんご
日本語のおもしろいところに、緑色のものを青色と表現することがあります。
日本人はそれを疑問に思うこともなく普通に使っている青〇〇という言葉、でもその他の言語を話す人たちからしたら??なのです。
りんごは特に代表的な例だと思うので、これを機会にどうして緑のものを青と呼ぶことがあるのかという説明も含めて取り上げるのは面白いのではないでしょうか。
りんごにちなんだ読み書き活動
今後日本に本帰国する予定がない子の場合、読みと書きでは、読みを中心に活動することを私はオススメします。
理由を知りたい場合は、下の記事を参考にされてみてください。
りんごの色と色に関する漢字
りんごの色に関連づけて、色に関する漢字の勉強ができます。
書くのもいいのですが、色を塗ったり、色と漢字のマッチング問題を作ったり工夫をすれば、小学校低学年からでもちょっと難しい“緑・黄”も全然読めるようなります。
りんごに関する絵本の音読
先に紹介したように、りんごに関する絵本はたくさんあります。
しかも、絵本の文は、1文が短い場合が多いので、海外住む日本語の音読に慣れたない子たちでも読みやすい場合が多いです。
その子のレベルに合わせた文章レベルの絵本をピックアップして音読させてみてはいかがでしょうか?
日本語の絵本が手に入りにくい海外では、デジタル絵本を使うという手があるので、ぜひチェックしてみてください。
りんごを使ったレシピを読んだり書いたりする
一緒に日本語を話しながらクッキングするのも、幼児の頃からできる日本語活動の一つですが、ある程度字が書けるようになったら、レシピを日本語で書いてみるのも、いい練習になると思います。
ただ、書くのが苦手な子で全部書くのは嫌だという場合は、レシピの並び替えのような問題を作ってあげる方がいいと思います。
私の息子たちは、1から全部自分で翻訳して書くのは無理ですが、日本語を書くこと自体は嫌いじゃないので、Google翻訳機能を使って日本語に直したものを(翻訳がおかしなところは教えてあげています)、書き写すということを時々やっています。
その場合、「ママのために日本語に直して!」とお願いしています(笑
「日本のおじいちゃんおばあちゃんに見せる」というとモチベーションが上がります!
↑息子が学校でもらってきたレシピを日本語で書き直したもの
最後に
今回は、私が現段階で思いつく限りの、りんごに関する活動を挙げてみましたがいかがだったでしょうか。
もちろん、まだまだ色んな形の活動ができるはず。
りんごだけではなくて、様々なものをテーマに今回挙げたような活動ができると思います。
海外に住む子どもたちにだけではなく、日本の保育や英語学習にも応用が効くのでは。
私がよく言われるのが、
「先生だったから家でも教えてあげられるんでしょ。」
という言葉。
これ、正直言って違います。
むしろあまりいい気分ではありません。
先生だったからではなく、マイノリティ言語である日本語を海外で子どもに習得させるにはどうすればいいかということを、母親として最大限調べて努力していると言った方が正しいと思います。
実際、補習校や日本語教室に通わせてなくても、お子さんがきちんと日本語を習得しているご家庭を何組も見たことがありますが、やはりそういう家庭は親が家で常に日本語で話していたりだとか、色々工夫して日本語に触れさせていたりしています。
というわけで、真似できそう活動があったら、ご家庭で、または継承語教育機関でぜひ実践してみてください。