日曜日の夜、子どもたちとDisney+で映画「ナルニア」を見ました。
そしたら、夜の間に雪が降り積もって、月曜日の朝カーテンを開けたら、本当にナルニアの世界のようになっていました。
さて、今回は宇宙に関する話題。
宇宙好きのお子さんがいる方にはぜひチェックしてみてほしいプロジェクトについてご紹介します。
我が家は家族全員宇宙が大好き。
特に次男は小さな頃から夢はずっと宇宙飛行士。
私たちが住むケベック州は航空産業が盛んで、航空関連の会社が多く、カナダの宇宙センターもモントリオール近郊にあって、空や宇宙に関わる仕事に就くというのは、なんとなく夢物語ではないという風に感じられます。
オールドモントリオールのサイエンスセンターに期間限定(2024年1月7日まで完全予約制)で併設されている、”Space Explorers: L’INFINI“にも行ってきました。
VRゴーグルをかけて広い空間を歩き回るのですが、宇宙空間に没入する感覚がリアルで、少し怖く感じるほどでした。
また、宇宙飛行士が宇宙ステーションで作業する様子を隣で見ているような感覚にもなって、宇宙飛行士に憧れる次男にとってはまさに夢のような空間でした。
モントリオールでの開催は残り1ヶ月ですが、北米の他の都市でも順に開催されるようです。
さて、今回紹介したいのは、無料で誰でも参加できるNASAのプロジェクト
『Message in A Bottle』。
簡単に言うと、
NASAが2024年10月に木星の月『EUROPA(エウロパ)』に向けて打ち上げ予定のClipper(クリッパー)という衛星探査機に、自分の名前を一緒に載せて飛ばしてもらえる
という、なんともロマンのあるプロジェクト。
EUROPA(エウロパ)とは?
Europa(エウロパ)は、地球から約628,300,000km離れたところに存在する木星の衛星の1つです。
特徴
発見:1610年にガリレオ・ガリレイによって発見された木星の衛星4つの中の1つ。
直径:月よりもわずかに小さい約3,121キロメートルで、4つのガリレオ衛星の中で4番目に大きいです。
表面の特徴:氷の表面が広がり、地殻が割れているため、非常に滑らかで複雑な地形が見られます。
氷の地殻:エウロパの地殻は主に水の氷で構成されており、この氷の下に水の海が存在する可能性があります。また、表面には長い裂け目や線状の地形が見られ、これは地殻が何らかの活動によって割れた結果と考えられています。
大気:ほとんど大気が存在せず、非常に薄いガスの層しかないとされています。
磁場:エウロパは自身の磁場を持っているとされていますが、その性質はまだ完全には解明されていません。
地下海洋の可能性:エウロパの氷の下には、地下に液体の水を含む海洋が存在する可能性が高く、これが生命の存在する可能性を示唆しています。
生命が存在する可能性
エウロパの地下に実は、地球の2倍〜3倍の液体の水が存在していて、それが生命の存在にとって適しているかもしれないと研究者たちは考えています。
生命が存在する可能性を示唆する理由
液体の水の存在 : エウロパの表面に広がる氷の下には、巨大な海洋が広がっている可能性がある。
温度と圧力:地下の海では、高い圧力と地熱活動によって一定の温度が維持されている可能性があって、生命が存在するための基本的な条件とされている。
地下海洋の化学組成:地球の海とは異なる化学組成(物質を構成する化学成分の比率が)を持つ可能性があり、これが生命の栄養源になりうると考えられる。
地下海洋のエネルギー源:地下の海洋では、地熱活動や鉱床からの化学エネルギーが供給される可能性がある。これらは地球の深海生態系においても生命が存在するためのエネルギー源となっている。
あくまでこれらの仮説に確証はなく具体的な証拠が必要らしい。
エウロパについてさらに詳しく知りたい場合は、下記のNASAのページにイメージや動画付きでとても分かりやすく解説してくれています。
WHY EUROPA(NASA公式ページ)
なぜエウロパなのか?→なので苦手な人はグーグル翻訳で読んでみてください
エウロパの探査計画
打ち上げ予定のエウロパ探査機クリッパー Credit:NASA/JPL-Caltech
NASAは2024年10月に、エウロパの詳細な調査を行うために、木星の周回軌道に向けて探査機Clipper(クリッパー)を、スペースX社のロケットファルコンによってフロリダのケネディ宇宙センターから打ち上げる予定です。
クリッパーのミッションは氷の表面と地下の海洋を徹底的に調査することで、氷の月エウロパの表面下に、果たして生命が存在し得るのかを判断する情報を得ることを期待されています。
予定では、2030年頃までに軌道に乗る予定で、数年間にわたって、木星の氷の衛星エウロパのフライバイを数十回実施し、詳細な測定値を収集するとのこと。
Youtubeでは、組み立てる様子がライブ配信されています(終了しました)。
MESSAGE IN A BOTTLE
Credit: NASA/JPL-Caltech
NASAは探査機クリッパーを打ち上げるに当たって、素敵なキャンペーンを行なっています。
その名も『MESSAGE IN A BOTTLE(ボトルメール)』。
これは、米国桂冠詩人エイダ・リモン氏、米国議会図書館による、芸術と科学のコラボレーションキャンペーンで、エイダ・リモン氏がこのミッションのために書いた詩は、クリッパーに刻まれます。
その詩と一緒に自分の名前を刻印して欲しい人を世界中から募集しているというわけです。
参加者の名前は、電子ビームを使用して、10 セント硬貨ほどのシリコン マイクロチップ上に名前を刻印されます。
テキストの各行は人間の髪の毛の幅 (75 ナノメートル) の 1/1000 よりも小さいそうです。
NASAの技術者が実際にマイクロチップに刻印する様子が動画でチェックできます。
実際に参加してみよう
キャンペーン期間は今年いっぱいの米国東部標準時2023年12月31日23時59分(日本時間2024年1月1日13時59分)まで。
もしこの記事を見て興味を持った方は急いで申し込みましょう!
登録フォームの左側は、このミッションのために書かれた米国桂冠詩人エイダ・リモンの詩。
無事登録が完了すると、自分の名前が書かれたボトルの画像がダウンロードできるようになります。
世界の参加者人数:日本人は少ない
Europa Clipper’s Message In a Bottle Participation Map
このキャンペーンには世界中の人々が参加しています。
2023年6月から開始して、記事を書いている12月初め時点でその人数は167万人以上!
実は、国別にも参加人数を確認することができます。
上の地図の色が濃くなっているアメリカ合衆国が圧倒的に多くて47万人超え。
その次に多いのがインドで、25万6千人以上。
他にも主要な国(アメリカ友好国)の参加人数を調べてみたら、残念なことに日本は人口比率を考えた場合参加人数が圧倒的に少ない(2023年12月6日時点)!
参加国 | 参加人数(2023年12月6日時点) |
アメリカ合衆国 | 474,419人 |
インド | 256,622人 |
カナダ | 42,422人 |
イギリス | 91,726人 |
フランス | 15,842人 |
韓国 | 15,730人 |
日本 | 4,882人 |
上に挙げた国は、私がなんとなくピックアップした国ですが、参加国マップのページからほとんどの国の参加人数を調べることができます。
お隣韓国でさえも1万5千人を超えている中、日本はなぜこんなに参加人数が少ないのか。
勝手な憶測ですが、日本人は自国のニュース以外にあまり興味がないこと、そして登録フォームが英語だというだけで、英語アレルギーが出てしまう人がまだまだ多いことが原因なのではと。
他の国はもしかしたら学校単位で申し込んだりしているのでしょうか??
マイクロチップに名前を書いたところで何か起こる訳ではありませんが、自分の名前が刻まれた探査機が太陽系を何十億マイルも旅をするというところにロマンを感じます。
実は私自身もこのプロジェクトを知ったのが1ヶ月前💦。
滑り込みセーフでの参加です。
この記事を見つけた方はラッキー!
米国東部標準時2023年12月31日23時59分(日本時間2024年1月1日13時59分)までに、ぜひ参加登録してみてください。